LNGなどの輸入が増えて貿易赤字になるとは? | 日々思ふこと(旧館)

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平成25年1月26日 http://kudo.jpn.com に新エントリーを移動しました。

結局、欧州の景気減速と、いわゆる中国の景気減速と関係悪化のため輸出が減り、原発を止めているためのエネルギーであるLNGなどの輸入が増えたため、結果として貿易赤字が過去最大となった。

で、実は貿易赤字は別段悪いことではない。
貿易黒字ってことは輸出に比べて輸入が少ないだけのことであって、国内での輸入材の消費が増えただけのこと。
これで心配になるべきなのは国内の消費材が減少していないかという部分が気になるわけだが、そもそも日本では生産できない化石エネルギーの消費によって起ったことだと冷静にみなくてはならない。

だいたい日本は貿易立国ではない。
実質GDP(国内総生産)が「519兆円(平成23年度)」に対して「65兆(平成23年)」でしかない。
つまりGDPにおける輸出依存度は13%に過ぎないのである。

ちなみに米国は$1=80円で計算してGDPが「1087兆円」に対して「103兆円」に過ぎず、実は貿易立国ではない。
ただし輸入が「155兆円」あり、工業製品の輸出に関わる会社が米国でも日本と同じように騒いでいるだけの話。

いわゆる中国は「598兆円」に対して「152兆円」と25%。
韓国は「89兆円」に対して「44兆円」ほぼ50%と、輸出産業が落ち込めばたちまち国家が立ち行かなくなる状況。
だからこそ韓国は経済を支える一部の企業にのみ依存しているというのがよくわかる。

・・・と、見てみればわかるのだが、日本も米国も実は貿易立国ではないため輸出が増えればラッキー程度と見ることもできるが、それ以上に国内消費が重要であることが見て取れる。

今の円安傾向が全て良いとは言えないのは、輸出をしている会社にとってはハッピーなのだが、輸入をしているエネルギー部門などは高騰してしまってどうしようもないのだ。
またガソリンが200円近くになって泣きを見るのは庶民であったり町工場だったりする。



さらにいえば日本の国外にある資産総額はGDPの50%程度ということで、昨年度の貿易赤字が7兆程度であるためGDPに対しての1.3%と誤差程度ではあるが、エネルギー問題を解決しなければこうやってマスコミが「貿易赤字最大!ピンチ!」などというくだらない報道をやらかしそうなので、特にエネルギーに関しては解決を目指す必要がある。

蛇足ではあるが、いわゆる中国が日本のGDPを越したからといって何を恐れるのだろうと感じる。
日本の10倍以上の人口があるというのに、同程度ということは人口あたりで換算すれば経済規模は1/10に過ぎないのである。
もし彼の国が成長するのであれば国内ではまかなえないため外国に頼らざるをえないわけで、今のようなでかい態度は続けていられなくなる。
なによりもエネルギーはすでに足りない上々で、消費材は全く足りなくなることは目に見えている。

ただしそれは経済が順調に伸びていけばという条件付なのであるが、一党独裁であることと日本の数倍の勢いでの高齢化と、高齢者が金がない状況での生活保障を考えると、とても言われるような国家にはならないと考える。
その時に他国に依存する姿となった場合のほうが、私はこわいと考えている。